2年前
適応障害の診断を受けたあの頃も、死にたいとは思わなかった。むしろ将来への希望があった。一人暮らしで孤独で苦しくても前向きだったのは税理士の資格勉強があったから。勉強が生きるよすがだった。仕事も耐えることが出来ていた。
しかしその中でも一瞬だけ、ほんの一瞬だけ天地がひっくり返ったような凄まじい希死念慮が心に浮かんだことがある。税理士試験の申込書を郵送したあと、受験申込期間を過ぎてしまっていたことに気づいたときだ。
結局それは勘違いで、実際には期間内に間に合っていたことにすぐ気付いたが、あの瞬間俺は一瞬で「死ななければならない」という思考に支配された。首吊り、電車、入水。死ぬ算段が脳裏を駆け巡った。
この一瞬の思考を含めないのであれば、俺は死のうと考えたことはない。